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いまや市民権を得た「つけ麺」も、近年はバカのひとつ覚えと化してきました。魚粉の入った油まみれのつけダレに、超極太の麺。具はタマゴと豚の角煮…というパターンの店があまりにも多いからです。ゆず風味や動物系&魚介系のダブルスープで違いをアピールしている店もありますが、それでも大した個性は感じられません。
そんな世間のトレンドとは無関係なのが、新宿西口の「新高揚」。ヨドバシカメラ本店の脇にある老舗中の老舗です。透明感のあるトリガラ醤油のつけダレに、小麦粉の風味が香ばしい平打ち麺。具にはメンマ/刻み焼豚/インゲンが使われています。これだけシンプルなスタイルながら、どの流派(?)にも属さない非凡なつけ麺です。
もちろんこのタレを「何の変哲もない醤油ダレ」と評する人もいますが、それは単に油まみれのラーメンに慣らされて舌が麻痺しているだけ。ここの醤油ダレ、ぜんぜんフツーじゃないですよ。塩気の少し強い、輪郭のはっきりとした味なのに、後味が爽やかでスッキリしている。ありきたりな醤油ダレとは一線を画するテイストです。
それになんといっても「麺」が素晴らしい。ここまで小麦粉の豊かな風味を感じさせる麺には、なかなかお目にかかれない。ただ太いだけでコシも香りもないそこらの麺とは、次元の違う完成度です。新高揚の麺は日本蕎麦に通じるフィーリングがありますね。盛り付けも「せいろ風」なので、ますます日本蕎麦チックです。
それが証拠に客層自体が蕎麦屋そのもの。来店と同時にビールとつまみを注文し、締めにラーメンかつけ麺を…という方が多いのです。まんま「昔ながらのお蕎麦屋さん」の光景が展開されております。スッキリとした味で女性客やカップル、ご婦人やご年配の方で繁盛しているのも、このお店の特筆すべき個性のひとつです。
あ、くれぐれも「スープ割り」はしないでください。アッサリ味のタレを薄めるのは自爆行為。そもそもスープ割りというのは、油がギトギトのタレを中和するためのものです。そのまま美味しく飲める新高揚のタレには不要です。常連客の誰もがそれを心得ているので、この店でスープ割りをする人はいません。
と・に・か・く、油まみれのラーメンを好む人や、トレンド系の味を求める方には向きません。新宿にはその手のラーメン屋が掃いて捨てるほど存在するので、ジャンキッシュな味が好きならそちらを当たったほうが賢明。新高揚はあくまでも「淡麗・独自系」です。それしても今回は「ひとくち日誌」のクセして、遠吠えの文字数が多いなぁ〜。
お店の場所はこちら |
| 澄んだ醤油ダレが綺麗です。カラ揚げ肉の付いた「こうようつけ麺」「パイクーつけ麺」を頼むと焼豚が入らない。肉+肉にしないための嬉しい配慮です。 |
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| 小麦粉の香りがグレイツです。つけ麺は冷水で締めてあるので、シコシコとしたコシのある歯応えが最高。つけダレとの愛称も格別です。 |
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