万能型イヤホンの究極系!オリオラス 2nd Gen.


 



バランス感覚、最高のイヤホンです!

他にないほど、素直な音の響き方をする!

でも色気も凄いよ!ただの優等生じゃない!

この「オリオラス」というイヤホン、元々はオーディオ機器をテストするために開発されたものです。

ポータブルアンプやデジタルプレーヤーを展開するオーディオメーカー「iBasso Audio」社が、自社製品の音をチェックするために開発。このイヤホンで製品の音を聴き、機器のチューニングをしていたのだそうな。

でも、実際にオリオラスの音を聴くと「それ本当かな?」と勘ぐってしまう。

だってこのイヤホン、メチャクチャ楽しい音がするんだもん。

業務用から派生したとは思えないくらいゴキゲンな音がします。

そもそもこの手の「インイヤーモニター」と呼ばれるものは、オリオラスに限らず業務用機材から発展してきたものです。オーディオ機器のテスト用としてはもちろん、ライヴ等のモニター用に使われてきました。

当然、プロのアーティストやエンジニアが現場で使っている…というドスの利いた来歴が話題を呼び、いまや高級イヤホンの多数をインイヤーモニターが占めるようになりました。たしかに「プロ御用達」などと言われると、スゴく良い音がしそうですもんね。

しかし、プロが使っているからといって、それが音楽を楽しむのに適しているとは限りません。彼らは音楽を楽しむためでなく、あくまでも音をチェックするために使っているだけ。

そのような用途に適した設計で作られたインイヤーモニターは、良くも悪くもクセの少ないモニターサウンドになりがちです。味気も素っ気もない、退屈な音に聴こえることも、決して珍しいことではありません。

だからオリオラスの楽しい音にはビックリ仰天でした。

こんなに音抜けが心地よく、アグレッシグに躍動して、ドカーンとくるサウンドなのは信じられません。
たとえ一般向けにリファインされているにしても、あまりにもリスニング向きすぎるなー!

これ本当に、業務用に開発されたイヤホンなの?



オリオラスの二代目=セカンド・ジェネレーションを意味する「2nd Gen.」。PW AUDIO社の7Nケーブルに変更されたためか、それともチューニングを変えているのか、初代よりもタイトでハッキリとした音に聴こえます。そのぶんややモニター色を強めているので、ライヴ感や温もりといった「色気」を追求される方には初代のほうが適しているかもしれません。



そんなウキウキ系サウンドのオリオラスで、特に素晴らしいと思ったのが聴き心地のよさです。

高音域は十分によく聴こえて煌びやかなのに刺さりません。

中音域はコシがあって粒立ちも細やかなのに歪みません。

低音域は地に足のついた力強さがありながらボワつきません。

ほどほどの細やかさでギッチリ感がないから耳が疲れません。

音場が「広すぎず」「狭くない」から不自然ではありません。

当然、大変にバランスのよい万能型です。それも筋金入りに。

普通、イヤホンって、機種によって得手・不得手がありますよね。たとえばアコースティックサウンドには最高だけど、ロックではボロボロ…とか、音が物凄く細やかでハッキリと聴こえるけれど、音がギチギチで聴き疲れしやすかったり、音場がメチャクチャ広くて立体感があるけれど、一体感のない不自然な音に聴こえてしまったり、高音域が綺麗で透明感があるけれど、低音域がスカスカで質感の乏しい音になる…など。

でも、オリオラスはデッドポイントが見当たらない!

どのジャンルの音楽でも、たいていは楽しくリスニングできてしまう。
それもインイヤーモニターにありがちな「オール80点」なんてケチな万能さではないですよ。

オリオラスならオール90点!どのジャンルでも楽しく聴こえます。

こんなにバランスの良いイヤホンは他にない!

…とさえ僕は思っています(2016年現在)

しかもバランスが良いだけの優等生ではありません。オリオラスをより魅惑的にしているのが…

万能型だけど色気や毒気もあることです!

万能型なのに色気も毒気もある?それ矛盾してない?支離滅裂じゃない?
…と思われるかもしれませんが、僕の駄耳にはそう聴こえるのだから仕方ない(汗)

某グルメ(?)漫画風にいえば、すべてがギリギリの線なのですよ。これ以上、色気や毒気が強かったら、下品になる。これ以上、優等生を気取りすぎると、鼻について下卑た音色になる。オリオラスはそのあたりのバランス感覚が、きわめて秀逸なイヤホンです。



 
イヤチップはシリコーン製(ブラック)が4サイズも付属するほか、低反発素材のもの(グレー)も付属。もしオリオラスの低音域をよりタイトにしたいのであれば、低反発素材のイヤチップをどうぞ。これ、普通のコンプライとはビミョーに音の傾向が違いますが、どこの製品だろう…と思っていたら、オリオラスに合わせて特注した専用のコンプライだそうです。これまでは非売品でしたが、2017年の7月より輸入代理店のサイラス公式サイトで購入できます。



ではオリオラスの具体的な音について、ロックを聴いたときの印象を中心に紹介します!

下の各項目とも5点満点での評価ですが僕の独断と偏見なのであしからず。

客観的な見地からはまったく参考にならないことは言うまでもありません。

■ヴォーカルとの距離感の自然さ  5点
■ヴォーカルの生々しさ  4点
■高い声の聴き取りやすさ  4.5点
■低い声の聴き取りやすさ  4点

■ギターの聴き取りやすさ  5点
■ギターのディストーションサウンドのリアルさ  5点
■歪み系のギターサウンドでコードを鳴らしたときの分離のよさ  4.5点
■ディストーションとクランチの違いのわかりやすさ  4.5点

■アコースティックギターの生々しさ  4点
■アコースティックギターの煌びやかさ  4.5点
■アコースティックギターのグリッサンドの心地よさ  4点
■アコースティックギターでコードを鳴らしたときの分離のよさ  4.5点

■ベースの聴き取りやすさ  4点
■ベースの粒立ちのよさ  4.5点
■ベースのブリブリ感、グルーヴ感、スラップの心地よさ  4.5点
■ベースの音程の自然さ  4.5点  

■スネアドラムやリムショットの心地よさ  5点
■シンバルの自己主張度  3.5点
■シンバルの自然なキレのよさ  5点
■打撃音の自然さ、質感の生々しさ  4.5点

■バンドサウンドのまとまりのよさ  4.5点
■スピード感、レスポンスのよさ  4.5点
■音割れのしにくさ(シリコーン製イヤチップ使用時)  5点
■音割れのしにくさ(低反発系イヤチップ使用時)  4点

■音場の広さ、壮大なスケール感  4点
■空間表現の楽しさ、芸の細やかさ  5点
■残響音の自然さ、適度なキレのよさ  5点
■全体的な音の見通しの良さ  4.5点


各項目とも4点以上の高得点がズラリと並んでいますが、いかんせんオリオラスにマンセーな僕がつけた手前勝手な評価です。客観性はゼロ、主観性は1000%、ご都合主義も1000%。そこらの雑誌の「ちょうちん記事」も裸足で逃げ出すほどの爆上げっぷりです。

まったく参考にならない評価なので、あなた自身の耳でご確認を。

そんなオリオラスでぜひ聴いていただきたい作品を、これまた僕の独断と偏見でピックアップしました。




DREAM THEATER
Falling Into Infinity
  DREAM THEATER
The Astonishing
前フルアルバム「Awake」に次ぐクリアな音質。そして壮大な空間に投影される仕掛けの数々や、バンド史上で空前のグルーヴ感を誇る本作こそ、オリオラスで聴くために存在する音源であると断言させてください。オープニングからエンディングの大作までタメ息が漏れるほど見事にフィットしますが、特に「Lines in the Sand」とのドンズバぶりはまさに異次元の域。もう笑いが止まりません。そのあまりの緻密さと躍動感に、ただひたすらに平伏するのみです。 オリオラスは空間表現力に優れ、美旋律を淀みなく再生でき、マルチBA搭載型としては歪みにくいイヤホンです。そのためオーケストレーションにより空間性が高く、清らかな美旋律とアグレッシヴなメタルサウンドを内包した「The Astonishing」は、オリオラスの長所をすべて引き出してくれる作品といえるでしょう。前作から圧倒的に向上した高音質も嬉しい限り。作品の内容・音質のクオリティともに、これがドリームシアターの(2016年現在の)最新作です。



 SYMPHONY X
Under World
   TONY MACALPINE
Concrete Gardens
怒涛のサウンド、緻密なディテール、壮麗なるドラマが、圧倒的な情報量を帯びて押し寄せる会心作。そのド級のサウンドさえもクリアに再現してしまうオリオラスの底力に、感服させられました。僕はシンフォニーXのメンバーに、訴えかけてしまいたい気分ですよ。「このイヤホンで鳴らした音こそが、あなた方の音ですよ」と。でもジェイソンは興奮のあまり心臓発作を再び起こしかねないので、他の3人だけにしようっと…などと阿呆な妄想を抱いてしまいました。 トニー・マカパイン史上で最強のヘヴィネスを誇る作品だけに、イヤホン選びを間違うと「音が割れる」「音が刺さる」「音が濁って聴こえる」などの諸症状に苛まれることでしょう。逆にクリアに再生できるイヤホンがあれば、破壊的なヘヴィサウンドに秘められた緻密な音作りと、そのアレンジの素晴らしさを発見できるばかりか、最高峰のマスタリングが施されていることも実感するはずです。本作を心行くまで楽しむための処方箋は、オリオラスに決まりです。



   
     
 EPICA
The Quantum Enigma
   ROYAL HUNT
The Mission
開始3秒で、これはスゲ――――っ!凡百のシンフォニック・メタルバンドを木っ端微塵に粉砕するビッグバン級の破壊力に、作品の序盤から畏怖させられる怪物作品です。とにかくスケールの大きさがハンパじゃない!音圧も凄い!ただ綺麗な音がするだけのイヤホンでは、その桁外れのエネルギーを1%も伝えることはできません。もしオリオラスを所持していながら本作を未聴なのであれば、もはや罪。これ以上、大罪を犯さぬためにも、お祓い代わりにぜひどうぞ。   アルバムの発表からすでに15年以上の年月が経過しているにも関わらず、その音質のクオリティは未だに最高水準にあるといっても過言ではありません。懐の広いスケール感と、縦横無尽に散りばめられた音の洪水に酔いしれること間違いなしです。ただしギターサウンドやSEがかなりトレブリーなので、イヤホンによっては耳に刺さるように聴こえてしまったり、音自体が壊れてしまうかもしれません。でも、オリオラスなら、そんな心配はほとんど無用です。



   
   
 ANTENA
L' Alphabet Du Plaisir
   U2
The Unforgettable Fire
フランス語でボソボソと歌っているところは、ヴォーカルに近づいて聴きとりやすく…。逆に声を開放して高らかに歌い上げているところは、少し引いた位置で心地よく聴けるように…。オリオラスというイヤホンは、ヴォーカルとの距離感が絶妙に設定されたイヤホンだと思います。ボサノバ調からジャズ調まで守備範囲の広いイザベル・アンテナの、それも多彩な楽曲が収められているベスト盤だからこそ、オリオラスのオールラウンダーぶりがいかんなく発揮されます。   1984年のロック作品だけに、どのイヤホンで聴いても音質はイマイチ…というか正直キビしいです。しかし本作は中世に造られた城にマイクを設置して、そこで演奏した音を収録して仕上げた作品です。城の隅々に音が響き渡ることから生じる天然のリバーブ効果と、ギタリストのジ・エッジのディレイ・ワークが入り乱れた幻想的な音世界は、空間表現力に優れたオリオラスで聴くとアドレナリン全開!タイトルチューンの「焔」に、魂までも震わされました。



   
     
DEBORAH HENSON-CONANT
Talking Hands
   PAULINHO DA COSTA
Breakdown
このデボラ・ヘンソン・コナンや、ロベルト・ペリーラの作品を聴くにつれ、ハープを主体としたジャズ作品とオリオラスは物凄く相性がいいようです。ハープ特有の煌びやかさを前面に押し出しながらも、耳にキンキンとくるような不快感は皆無。高音域が本当にピュアなイヤホンです。ベースがブリブリと唸る楽曲も多いので、ますますオリオラスの独壇場。すでに20年以上も前の作品ですが、オープニングの「Into the Light」からして素晴らしい名曲です。   オリオラスが何よりも素晴らしいと思うのは、打楽器の音がとにかく心地よく聴こえることです。ドラムスの音抜けばよいのはもちろん、パーカッションの音は本当に凄いですよ。ここまで生き生きとした音でパーカッションを鳴らせることのできるイヤホンには、滅多にお目にかかれません。ヴォーカルも男性・女性の声とも大変に聴こえやすく、骨太なベースにもグッとくる!つまりパウリーニョ・ダ・コスタの作品を聴くのに、最高のイヤホンだということです。



   
     
 RICHARD BURMER
Across the View
   GIDON KREMER
J.S.Bach BWV 1041 1042 1043 1060
リチャード・バーマーの「Across the View」といえば、長くJ-WAVEを愛聴されている方には説明不要の隠れた名曲です。放送の節目に必ず流れるアイコン的な存在で、壮大な幻想世界に心を洗われるかのよう。音場の自然なイヤホンを使うのがベストです。オリオラスで聴けば己の意識は肉体を離れ、浄土世界にトリップ。フルアルバムは「Magellan」「Walking the Icons」といった珠玉の楽曲の宝庫なので、リマスター音源で配信されることを切に望みます。   ギドン・クレーメルのヴァイオリンの音色は、鋭利で線が細いようにいわれてしまうことがありますが、オリオラスで聴くと圧倒的な音の美しさに唖然。冒頭の第一番(Allegro)からウットリと聴き惚れてしまいました。クレーメル独自の倍音の豊かさをオリオラスが上手く引き出してくれるためか、鋭利なだけではない「深み」すらも感じさせてくれる。本作はオーケストラの演奏も素晴らしい上に、録音状態がとてもいいので、最後まで安心して心地よく楽しめます。




とにかくジャンルを選ばないイヤホンです。1本だけで済ませたい方には重宝すること間違いなし。

逆に特定のジャンルに絞って使いたい方にとっては、使いどころに困るイヤホンかもしれませんね。あまりにも器用で欠点らしい欠点が見当たらない反面、物凄く得意なジャンルを探すのも難しそう。

でも、僕は「メタル」「ニューエイジ」「クラシック」

…と最高に相性がいいと思っています。

特にギターのディストーションサウンドのリアルさは、他のどのイヤホンよりも抜きん出ている。シンバルが鳴りすぎず・地味すぎず…という部分も秀逸です。さらにヴォーカルとの距離感の自然さと、空間表現力の素晴らしさを発揮できるジャンルが望ましいことから…

プログレメタルを聴け!と大声で叫びたい。

もう完全にドリームシアター専用のイヤホンかと思っちゃいましたもん。他にもシャドーギャラリーやヴァンデンプラス、サーカスマキシマスの作品も、ぜひオリオラスでお試しあれ。クイーンズライクの「Promised Land」との相性も凄くよかったですよ(当社比)

ん?そうかぁ?メタルを聴くには、もっと低音をズンズン効かせたほうがいいんじゃないかぁ?
…と思われた方は、コンプライのT-500に代表される、低反発素材のイヤチップに替えてみてください。

当然といえばそれまでですが低音域が骨太にパワーアップします。

ただ僕自身は「メタルに過度な低音は要らない」と思っているので、普通のシリコーン製のイヤチップのほうが好きです。コンプライ等はどう装着しても高音域〜中音域の音抜けが犠牲になる上に、中〜低音域が歪んで聴こえてしまうことが多い。オリオラス 2nd Gen.の素直な音色を生かすなら、純正のシリコーン製がベスト…と思いきや、なんと低反発素材の「Crystal Tips」というイヤチップが相性抜群です。

オリオラス自慢の「バランスの良さ」はそのままに、高音域〜中音域の音抜けが非常に良好。低音域も嫌味なくグルーヴィーにしてくれる上に、シリコーン製よりも圧倒的に遮音性がアップするというスグレモノです。最近は国内の専門店でも市販されるようになってきたので、海外通販オンリーだった以前よりも格段に入手しやすくなりました。コアサイズは「M」をお選びください。

ちなみにこのオリオラス、
音質と関係のない部分でもヲタク心をくすぐりますよ。なんせ付属品が恐ろしくシンプルなんです。






ありきたりな黒い箱に、アルミ缶、巾着袋(きんちゃく袋)に、各種イヤチップ、説明書のみ。

それによく見ると、巾着袋は純正ケーブルを作っているPW AUDIO社のものを流用しただけじゃんかよぉ〜!説明書はたぶん代理店の方がパソコンで作成したものでしょうし、何度もコピーを繰り返しているせいか、印刷が荒いこと荒いこと…。手作り感が満載で泣けてくる。

なんてショボ…でなくシンプルで潔いんだろう!

普通、この価格帯のイヤホンは、ラッピングも付属品も豪華だったりするものです。グラフィック入りの化粧箱に、幾重にも連なる多重包装、格好いい本革製の携帯用ポーチまで付属したりと、大騒ぎです。

でも、オリオラスの付属品は必要最低限!
商売をヤル気あんのか…とツッコミたくなるくらいにシンプルです。だからこそ…

俺は音質だけで選んだんだぜ!

上辺だけの豪華さなんてキョーミないね!

…と主張したいヲタクの自尊心を、ガッツリと満たしてくれるわけです←ここ重要!

ただでさえオリオラスは中華系の新参者で、オーディオ技術の伝統もなければ、ブランドの知名度もスズメの涙。まかり間違っても「インイヤーモニターの神が創設した」などの気の利いた売り文句はありません。

そんな地味〜なところも、ヲタク心をガッチリとつかんで離さない。

豪華さやブランドよりも肝心なのは音だよ、音!

…と違いのわかるスノップを気取りたい僕のような天邪鬼には、最高のシズルに満たされています。立ち位置も音色も我が道を爆進しているため、オリオラスと同じ方向性のイヤホンは、ちょっと見当たりません。

音質の傾向も、きわめて独特です。ユニーク・メロディの「MAVERICK」と引き合いに出されることもありますが、両者のサウンドは似ても似つかない。キャンプファイヤー・オーディオの「JUPITER」なら…。ん〜、やっぱり、ぜんぜん違う。それなら名作「K10」はどうか?あらら、音のバランスからして違う…。

僕が神器と崇めるJVCのウッドイヤホン「HA-FX1100」のバランスをフラット気味に整えつつ、音が明瞭に聴こえるように洗練させたらオリオラスになった…とでも申しましょうか。HA-FX1100で聴いた後に使用して、違和感を覚えることのない唯一のBA搭載型イヤホンが、僕にとってはこのオリオラスでした。



 

      オリオラスを2年半ほど使ってみて…

「オリオラス 2nd Gen.」とは随分と長い付き合いになりましたが、今でも他のインイヤーモニターは一応チェックしています。それでも僕の駄耳にしっくりくるのは、コイツだけ。このイヤホンの互換機になりそうな機種とは、未だに出会うことができずにいます。

とにかく今時のイヤホンは、性能が高すぎるんですよ。オリオラスよりも高音域がガンガン聴こえるものや、もっと音の粒立ちが細やかなイヤホンは山ほどある。それこそ遥かに安価なイヤホンの中にも、個々の能力がオリオラスを超えるタイプがあるかもしれません。

でも僕にとっては、オリオラスの「やり過ぎないところ」こそが理想的。これよりも高音域がシャカシャカしても困るし、音がギチギチに細かくても困ってしまう。すべての要素を「ほどほど」に寸止めしてくれる点が、オリオラスの最大の美点であると勝手に思っています。

また音を発信するドライバの数も合計4つと「ほどほど」だから、バランスが取りやすいのかもしれません。多くの機種に散見される「音が歪んで聴こえる」「中音域の音抜けが悪い」「中音域が音痩せする」といった癖もなく、音のピュア感やメリハリ感はピカイチです。

おかげでオリオラスでないインイヤーモニターに対して、僕の耳と脳が拒絶反応を起こすようになってしまった。他の機種を試聴するたびに、1〜3秒で耳から外してしまいたくなるほど。オリオラスは現時点の僕にとって、すべてを超える宇宙一のイヤホンです。

ただ標準装備されるPW AUDIOのケーブルは、やや音がバタバタしてしまうので、あまり使用していません。それにケーブルを覆う皮膜素材が柔軟性に乏しいためか、ロクに使いもしないうちに、イヤホンとの接続部付近でポッキリと折れるように切れてしまった。

僕の使い方に問題があるのかもしれませんが、さすがにケーブルが完全に切断したのは初めての経験でした。ケーブルの耐久性に関しては、もう少し見直してくれても罰は当たらないかなと…。いずれにしてもオリオラスとは、これからも腐れ縁が続きそうです。


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