ERNIE-BALL MUSICMAN EDDIE-VAN-HALEN MODEL


エディ・ヴァン・ヘイレンとアーニーボール・ミュージックマンが共同開発した、初のシグネイチャー・モデル。1991年にロスで開催されたウィンターNAMMショウで初公開され、エディのトレードマークであった<ストラトシェイプ><ワンピックアップ><単一のボディー素材>とは著しく異なる仕様へと変貌。本人の「以前のワンピックアップは失敗だった」というコメントも手伝ってか、従来型とは180度ベクトルの異なるギターというイメージが先行しました。しかし彼が長年にわたって愛用したピックアップやネックシェイプを再現するなど、保守的な要素も色濃く反映。エディの弟分であるドゥイージル・ザッパをはじめ、スティーヴ・スティーヴンス、松本孝弘などのギタリストたちが使用。特定のミュージシャンのために開発されたシグネイチャーモデルでありながら、高い汎用性を証明しています。




―ボディーセクション―

トップがフィガードメイプル、バックにバスウッドを採用したラミネート構造。レスポールに代表されるマホガニーバックとは、ひと味違うチョイスです。そのためカラッとした陽気なサウンド特性が特長。ボディー全体で響くので、コシの強いパワフルな鳴りを堪能することができます。あまりの音抜けの良さに、バスウッドに対して抱いていたイメージが確実に変わる。ありきたりな素材であっても、使い方次第で最高の音色を生み出せるんですね。


―ネックマテリアル―

エディモデルの最大のメリットは、ネックの完成度に尽きる!ラッカー未使用のオイルフィニッシュでスベスベ・サラサラ。エディー曰く「赤ちゃんのお尻の手触り」という比喩がドンズバで、汗をかいてもフィンガリングに影響しません。また低音弦側に頂点を持たせた「左右非対称V型シェイプ」による異次元のフィット感は圧巻!ネックが手に吸い付くような感覚です。これほど手にしっくりくるネックには、未だにお目にかかったことがありません。


―フィンガーボード―

ワンピース・ネックのように見えて、じつはネックと指板の2ピース構成になっています。これは単一のバーズアイメイプル材をネックの形状に加工した後、その表面を指板のぶんだけ薄くカット。トラスロッドを埋め込んだ後、再び両者を貼り合わせるという工法で製作されました。これはギターの鳴りを最大限に生かすために、ネックと指板を限りなく一体化させようという試みによるもの。細部まで丁寧に仕上げられていて、本当によく響きます。


―ピックアップ―

かねてからエディの愛用していたPAFを手本に、ディマジオの技師スティーヴ・ブルッチャーの手腕で再現されたスペシャルモデル。ワイヤーが断線するなど、凄まじくヘタッていたピックアップを再現。そのため意外なほどパワーは控えめ。ハムバッカー特有のホットなサウンドと、繊細なクリーンサウンドが堪能できます。フルパワーで「Unchained」のラウドなリフを刻むのはもちろん、ボリュームを絞って「Top Jimmy」を弾いても気持ちいいです。


―アッセンブルパーツ―

ペグはドイツのシャーラー製で、ブリッジには日本のゴトーガット製・フロイドローズタイプを採用。アームアップをしないノンフローティング・マウントが基本のセットアップです。エスカッションを介さずにピックアップを搭載しているなど、ボディー鳴りを重視した設計に。サウンドに影響するボディー/ネック/ピックアップをアメリカンメイド、精密加工を要するチューニングパーツに日独製をチョイスしているところに、ちょっとしたヲタク心が垣間見れますね。


―AXISとの違い―

エディがピーヴィーへと移籍した96年以降は、仕様変更モデル「AXIS」が現在まで販売されています。まずヘッドのサインがなくなり、ピックアップセレクターの位置が変更されたほか、最大の違いはなんといってもボディー裏。エディモデルの裏面がフラット型であるのに対し、AXISは左画像の斜線部分にコンター加工が施されています。またAXISというモデル名は、エディモデルの試作段階で作られたプロトタイプの名称が流用されたものです。




















シグネイチャーモデルの証となるヘッドサイン 半透明のアクリルボタンを採用したシャーラー・M6


ハイフレットの快適なヒールレスジョイント ボリュームノブを「TONE」にしたのはエディのシャレ













発表当時は「憧れのエディのギター」くらいの認識でしかなかったものの、専門学生時代に初めて試奏したときの感動は今でも忘れません。それまでに経験したことのない音抜けの良さ、手に吸い付いてくるようなネックのフィーリング、心地の良い手触りなど、そのすべてに鳥肌が立つほどの衝撃を受けました。僕が学生で買えない身分なのにも関わらず、嫌な顔ひとつせずに試奏させてくれた店員さんありがとう。社会人1年目となった1995年、その店に入荷したばかりのEVHを即ゲットしました。その後も調子に乗ってギターを買い漁っていましたが「EVHがあれば他はあまり必要ないかな」と思い大処分を敢行。現在、手元に残っているエレクトリックギターは、ほんの僅かしかありません。なにはともあれこのEVH、僕にとっては生涯の伴侶となるギターです。欲を言えば、ブルーのEVHもちょっと欲しいかも。

ボディー:Figured Maple Top / Basswood Back ピックアップ:Dimarzio EVH-Original Custom
カラー:Trans-Gold Top / Black Back コントロール:3Position Switch & 1Volume
ネック&フィンガーボード:Biards-eye Maple マシンヘッド:Schaller M6(With Acrilic Button)
フレット数:22Flets ブリッジ:Gotoh Floyd-Rose Licensed Tremolo

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