COLNAGO C40 B-STAY HP





僕は生来のヒネた性分が災いして、他人にアドバイスされたものを買うのはどうも悔しい。天邪鬼で面倒くさいヤツなので、新しい趣味にトライする際は自力で調べて買うべき…という根拠のない持論に基づいて、購入前にあれこれと情報収集するのが定番です。そこで過去のムック本を買い揃えたり、ショップ巡礼に明け暮れてリサーチするのが、馬鹿のひとつ覚えの儀式。それはロードバイクを始めたときも同じです。

そんな僕のハートを鷲づかみにしたのがコルナゴのC40でした。欧州のプロロード選手権で膨大な勝利数を挙げてきた…という超ミーハーな要素もさることながら、カーボンフレーム開発における先駆者ともいうべき来歴にゾッコン。しかし当時はすでにC50という後継機にモデルチェンジしていたため、C40をまだ在庫として残しているお店を探さなくてはならず、再びショップ巡礼の日々に明け暮れる羽目になりました。

このままC40を探すか、それとも現行のC50で我慢するか…コルナゴというメーカーよりもC40そのものに惚れ込んでしまった手前、C50には食指が動かず悶々としていたところ、某ショップでついに大本命を発見!新品のC40が、しかも探していた最終型で、一番欲しかったNL12カラー。サイズもドンズバと、なにもかもが理想的でした。絶版品の新品というだけでも珍しいのに、ここまで自分の希望と一致するとは…

購入当初は適当なパーツで組み上げ、その後にパーツ&ホイール交換を繰り返して現在の仕様になりました。僕ごときのド貧脚では性能の100分の1も発揮できずに可哀想。他の人に抜かれるたびに「あ〜あ…」というタメ息がC40から漏れてきそうですが、僕自身は心の底から愛着のもてる相棒と出逢えて幸せ〜などと勝手に納得しております。落車や事故でポッキリ逝かない限り、末永く付き合っていきたいと思います。
ラメ入りキラキラ塗装がてんこ盛りでかなり派手。




ハンガー周りの感触がとっても脚にやさしい。













―カーボンフレーム開発とMAPEI―

エルネスト・コルナゴが故エンツォ・フェラーリに新素材開発の相談をもちかけたのが1980年代の中期頃。使用する新素材の選択を決めかねていたエルネストに対し、エンツォはカーボンを強く推したという。以来フェラーリ・エンジニアリングスの協力でプロトタイプ→C35→C40とカーボンフレーム開発を続けていくことになるわけで、もしエンツォが他の素材を推薦していたら、カーボン以外の素材が主流になっていたかもしれない。1994年にC40がスター軍団「MAPEI」に供給され、カーボンフレームとして欧州プロロード選手権への本格的な参入を果たす。以来パリ〜ルーベの通算5勝を筆頭に、世界選手権を3回制覇。クラシック・レースやプロツールのステージ優勝を含めると、MAPEIとC40で400〜500勝を記録している。


―コルナゴC40の遍歴―

ひと口にC40といっても、複数のバージョンが存在する。10年間もプロロード選手権で活躍したフレームだけに、細かなマイナー・チェンジを繰り返している。大まかに分別していくと、まずはクロモリ製のプレシサフォークを装備したのが第1世代。次にカーボンフォークへと変更されたのが第2世代。そして2001年からはプロ選手の要望に応え、後三角形の剛性を大幅にパワーアップ。「B-STAY」と呼ばれる扁平状のモノステーに変更したのが第3世代となる。2003年にはチェーンステーに菱形の空間を設けた「HP/ハイパワーシステム」が採用されており、これがC40の第4世代にして最終型。その後はC50からEXTREMEシリーズへとバトンタッチされていき、チェーンステーの形状が通常のリーフ型へと戻された。


―最後の1文のみ正確なレビュー―

C40やC50では「適度なバネ感を推進力へと変えている」という表現をたびたび目にするけど同感に思う。もちろん走っていてフレームがしなるような脆弱さは微塵もない。むしろ頑強かつ頼りになるフレームで、「バネ感云々」というのはC40の加速特性からそう感じるのかもしれない。実際、驚異的な瞬発力があるわけでもなければ、物凄く軽いフレームというわけでもない。スタート直後の加速はシブいほうではないだろうか。ところがスピードに乗るとグングンと加速していく。しかもハンガー周りに硬さがないので脚にこない。これが「しなり」を感じさせる要因ではないかと勝手に推測している。また路面に吸着しているかのような安定感は完璧に近い。いずれにしても、僕のド貧脚では性能の100分の1も発揮できないけれど。
1999年頃から採用されるスターカーボンフォ−ク。




こちらは2001年に変更されたモノステー「B-STAY」。




菱形のHPステーは最終型とC50に採用。









センター44cmの大型ハンドル。子供時代の松葉杖が原因? 創業者の字はちょっぴりヘタ…イタリア気質か?



セラミック・スピードのベアリングはかなり効果的。
タイムに反映されるかどうかは別として…。
こちらもセラミック・スピードのプーリー。効果はビミョー!
でもいいんです、プラセーボ的な効果があれば御の字。





※スペック表の内容は現在の仕様なので、画像と異なる部分があります。
フレーム:COLNAGO CARBON-FLAME C40 メインコンポーネント:CAMPAGNOLO RECORD
ステー:COLNAGO B-STAY & HP-STAY クランク:FULCRUM RACING-TORQ RRS
フォーク:COLNAGO STAR-CARBON- FORK プーリー:CERAMIC-SPEED
ボディーコート:KADOWAKI QUARTZ-DYN ホイール:CAMPAGNOLO BORA-ULTRA
ヘッドパーツ:CAMPAGNOLO RECORD ハブベアリング:CERAMIC-SPEED
ハンドル:ITM PATHOM2 クイックレリーズ:PMP T-071 TITANIUM
ステム:ITM A-DRACO タイヤ:SOYO UPSTREAM
サドル:SELLE-SMP STRIKE-COMPOSIT ボトルケージ1:ELITE PATAO-CARBON
ペダル:TIME i-CLiC TITAN-CARBON ボトルケージ2:CAMPAGNOLO RECORD
 −  フィッティング:SPECIALIZED BG-FIT

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